【今学ぶー老子】世俗の価値にとらわれてはいけない

2024-04-272024-06-29

養身第二

天下皆知美之爲美、斯惡已。

天下皆みな美の美たるを知るも、斯これ悪あくなる已のみ。

世の人々は、皆美しいものを美しいと感じるが、しかし、美は同時に醜いものである。

皆知善之爲善、斯不善已。

皆善の善たるを知るも、斯これ不善ふぜんなる已のみ。

皆、善いものを善いと思っているが、善は同時に悪でもある。

故有無相生、難易相成、長短相形、高下相傾、音聲相和、前後相隨。

故ゆえに有ゆうと無むと相あい生しょうじ、難なんと易いと相い成り、長ちょうと短たんと相い形し、高こうと下げと相い傾き、音おんと声せいと相い和し、前と後と相い随したがう。

「有る」と「無い」とはそれぞれ相手があってこそ生まれており、
「難しい」と「易しい」、「長い」と「短い」、「高い」と「低い」、これらは全て相対的な概念である。
「楽器の音」と「人の肉声」も互いに調和し、「前」と「後」もお互いがあって存在できる。

是以聖人處無爲之事、行不言之教。

是ここを以もっって聖人は、無為の事に処おり、不言の教えを行う。
聖人：理想的な人。「道」に一体となった最高の境地にある人物
無為：老子の理想的な行動様式。ただ何もしないというより、いわゆる宇宙根源の「道」に任せ、余計なことをしないことを意味する

だから「道」を知った聖人は、無為の立場に身を置き、世俗の価値観にとらわれないで教訓を実行する。

萬物作焉而不辭、生而不有、爲而不恃、功成而弗居。

万物焉ここに作おこるも而しかも辞じせず、生じるも而も有とせず、為なすも而も恃たのまず、功成るも而も居おらず。
辞せず：手を加えない

万物を自生にまかせて手を加えることをせず、それを自分のものとはせず、大きな仕事を成しても見返りを求めず、成功するもそれに安住しない。

夫唯弗居、是以不去。

夫それ唯ただ居らず、ここを以って去らず。

そうやってこだわりを捨てるからこそ、その功績はなくなることがない。

#老子
世俗の価値にとらわれてはいけない
(価値は相対的なもの)

聖人：理想的な人
無為：老子の理想的な行動様式。
　　　　ただ何もしないというより
　　　　いわゆる宇宙根源の「道」に任せ、
　　　　余計なことをしないことを意味する
辞せず：手を加えない pic.twitter.com/CTs4179Mh8
— リックス🍥権僧正🦄フォロバ＆リツイートするよ | エンジニア | 投資家 | 読書家 (@lix05410289) February 25, 2024