虚心第二十ー
孔徳之容、惟道是從。 |
孔徳の容は、惟だ道に是れ従う。 孔徳:大きな徳。 |
大きな徳を備えた人の在り様は、ただ「道」に従うばかりである。 |
道之爲物、惟恍惟惚。 |
道の物たる、惟れ恍惟れ惚。 |
「道」というものは、おぼろげで奥深くとらえどころがない。 |
恍兮惚兮、其中有物。 |
恍たり惚たり、其の中に物有り。 |
おぼろげで奥深いが、その中に何かが存在しているのだ。 |
恍兮惚兮、其中有象。 |
恍たり惚たり、其の中に象有り。 |
おぼろげで奥深いが、其の中に確かに何かが見えるのだ。 |
窈兮冥兮、其中有精。 |
窈たり:奥深く、とらえどころがない状態。 冥たり:暗くて良く見えない状態。 | 窈たり冥たり、其の中に精有り。
奥深く暗いが、その中に何か精気が存在するのだ。 |
其精甚眞、其中有信。 |
其の精甚だ真、其の中に信有り。 |
その精気は真実であり、その純粋さは最も確かなものである。 |
今より古に及ぶまで、其の名去らず、以て衆甫を閲ぶ。 衆甫を閲ぶ:万物の始源を統べること。 衆甫:万物が生起する始めの状況 閲ぶ:統べること |
はるか大昔から今に至るまで、「道」は存在し続け、万物の始原を統べている。 |
吾何以知衆甫之然哉、以此。 |
吾れ何を以て衆甫の然るを知るや、此れを以てなり。 |
なぜ、私が「道」が万物の始原を知っているのか、それは、以上のような理由からである。 |
・このページはlix(リックス)が学んでいる老子の内容をまとめています。誤りがある可能性があります。
・X(旧ツイッター)でポストした内容です。